御土居は天下統一を成し遂げた豊臣秀吉が、長い戦乱で荒れ果てた京都の都市改造の一環
として外的の来襲に備える防塁と、鴨川の氾濫から市街地を守る堤防として、天正19年
(1591)に多くの経費と労力を費やして築いた土塁です。
台形の土塁と堀(堀の一部は川、池、沼を利用)からなり、その延長は22.5キロメー
トルに及び、東は鴨川、北は鷹ケ峯、西は紙屋川、南は九条あたりに沿って築かれました。
土塁の内側を洛中、外側を洛外と呼び、要所にはいわゆる七口を設け、洛外との出入り口と
しました。鞍馬口、丹波口などの地名はその名残です。
江戸時代になると天下泰平の世が続き、外的の脅威もなく御土居は次第に無用の存在とな
り、また市街地が洛外に広がるにつれ堤防の役割を果たしていたものなどを除いて次々と取
り壊され、北辺を中心に僅かに名残をとどめるのみとなりました。
昭和5年(1930)、市内に残る御土居のうち8箇所が、京都の沿革を知るうえに、ま
た、広くわが国における都市の発達をたどる重要な遺跡として「史跡」に指定、昭和40年
(1965)にさらに1箇所(北野天満宮境内)が追加され、現在9箇所が指定地となって
います。
(以上は京都市文化観光局のパンフレットによる紹介文です。)
9箇所の史跡御土居跡に番号をつけて説明しますが、この番号のつけ方がばらばらでいろ
いろあります。ここでは、京都市文化観光局のパンフレットでの番号と合わせています。
史跡御土居以外の御土居跡もあり、主なものをA〜Eで示します。
最終頁に御土居の全体図を示しています。今の京都の中心部をほぼ網羅していることが分
かるかと思います。
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